―― 去る8月25日。
大阪にて「ラスト・ファイヴ・イヤーズ」の記者会見を行ないました。


公演に向けて豊富を語る山本耕史さん(左)井手麻理子さん(右)


――― 本作は、ジェイミーとキャサリンの出会いから結婚、別れまでの5年間を描いた物語です。男女が逆の時間軸を生きるという特殊な設定ですが、初演を振り返られての感想はいかがですか?

◆山本:2人が出会う瞬間は一度しかなくて、あとはお互い一人芝居をしているような特殊な構成ですが、終わるとなんとも切ない気持ちになりましたね。ラストは幸せそうなキャシーの後ろに、バーっとバラの映像が流れるんですが、それを観たとき、人を愛する気持ちや、破綻する愛の美しさを強く感じました。

――― 今回初舞台となる井手さんは本作に、どのような印象をお持ちですか?

◇井手:私は映像で拝見したんですけど、いい意味でミュージカルのイメージを覆されました。豪華なセットがあるわけでも、必要以上に歌ったり踊ったりするわけでもない。シンプルだけど音楽は凄く良く考えられていて、物語も素敵で自然に心が動かされる。初舞台でこんな素晴らしい作品に出合えて幸せだなと感じます。歌の力でどこまでストーリーを表現できるか、最大限の力でチャレンジしたいですね。

――― 初共演となるお2人ですが、互いの印象をお聞かせください。

◆山本:まずは、ナイスバディだなと(笑)。少しハスキーな歌声も、つい耳を傾けたくなる。台詞にも説得力があるので、大人の女性としていろんな経験をされてきたんだろうな〜と(笑)。初演では見えなかった部分が見えてきたり、助けられています。

◇井手:素敵な俳優さんですからね。お会いするまではドキドキでした。現場でも場の雰囲気を和ませてくれて、ほっとできる存在。頼りきっていますね。動きはまだまだですが「ジェイミー好き、好き!」という気持ちだけは満載で、稽古しています(笑)。

――― この作品のテーマや魅力はどんなところにあるのでしょう。

◆山本:テーマは時間だと思う。時間とは、出会いであり別れであって、時には残酷で時には掛け替えのない素晴らしいものでもある。ハッピーなときもそうでないときも全部ひっくるめて見ると、誰の人生も愛おしいなって。この作品を通して人間って美しい、人を愛することって素敵だなと思いますね。ぼくは特別な誰かではなく、観客一人ひとりの人生を生きるつもりなので、観る人も自分の物語として楽しんで欲しいですね。

◇井手:登場人物たちが人間臭いところも魅力ですね。女性ってわりと自分勝手だと思うんですね。怒ると圧倒的パワーで爆発して、落ち込むと世界一不幸な人間だと感じて、恋をするととたんにキラキラ輝きだす。チャーミングで感情豊か。キャサリンもまさに、そんな普通の女性です。誰にでも目標ってあると思うので、彼女が夢に向かって頑張る姿にも共感してもらえると思う。

―――― 最後に、開幕を心待ちにしている観客へメッセージをお願いします。

◆山本:いい作品って人を優しい気持ちにさせるんですよね。今回はカップルにもお勧めです。たとえ別れた二人でも最後にこれを観たら、よりが戻る可能性もありますから! 初演とは全く違う、エレガントな大人のラブストーリーに期待してください。

◇井手:ほんとに、観てくれた人が素晴らしい時間だったと思ってもらえるような作品にしたいですね!


(取材・文 石橋法子)

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